日常II

 

 連絡を一つ入れるのにはてしなく気力がいるときがある。そういう時はたいていほかにいくつも上手くいかないことが起きて結局一日中何もできないまま過ぎていく。一昨日はそういう日で、何よりもまずこのタスクを片付けなければと思っているから他のことにも全く手がつかない。そうやって無為に時間を過ごしていることにテンションが下がり、さらにモチベがなくなる。

 スピッツがストリーミングに出ているのを思い出した。これまではユーチューブで聞いていたけれど、音楽はアルバム単位で聞くほうが好きだし、それに大したヘッドフォンでも無いけれどもベースとかドラムとかギターのリフとかひとつひとつの音がちゃんと聞こえるようになって、スピッツの偉大さに今更ながら気づく。A'メロで装飾的につく高め音域のクリーンなギターリフみたいなポップさが好き。スピッツのポップさって、同意を求めるようなしつこさがなくて、奇をてらう訳ではないけれど超然としている。スピッツよ曲はバンドと音楽だけで完成していて、たとえばライブで観客が一人もいなくても同じようにエモいんだろうなと思う。

 そんなことを考えていると、さすがに起き出して何かしようという気になる。しばらくはモチベのためにスピッツを聴くことになるかもしれない。

 椅子が固い。骨盤の一番下の部分を紙やすりにかけられているようで、体全体が疲労してくる。尻の痛みはとくに肩と下顎に伝染してくるみたい。気分転換に注文したソーセージ丼が果てしなく辛くてしばらく涙が止まらない。ここでは辛そうなソースがレベル1からレベル100くらいまであって、その見た目の区別が全くつかない。最近は慣れてきていちいちこれは辛いのかとか聞かなくなったけれど、まだ時々不意打ちを食らう。