2.国境

最近はいつにも増していろんな人と話すようになった。昨日はスパルタ英語塾の講師と話したし、今日は就活フェアのブースのお兄さんと話してて、新歓テントで痩せた東大生にアメフトの楽しさを説く自分を思いだした。人と話すたびに思うけれど、自分が喋る内容はどうも歯切れが悪い。もっと歯切れよく話したい。

 

前回の要約:もうすぐ退寮(2018年11月)。不法に寮の部屋に一晩とどまった次の日の深夜に、ゴールデンマイルコンプレックス前からバスに乗ってマラッカへ出発する。実はその時、日本の友人たちとコンペをやっていて、その提出がこの深夜だったんだけれど、その時かけた迷惑の話で一回分ブログが書ける。ともかく11時半出発の夜行バスになんとか間に合って乗り込むと、もうwi-fiは通じないのですべての煩悩は忘れるしかない。もうなにがあってもしらんわ、ってなるこの瞬間は一人旅で一二を争う好きな瞬間。

東南アジアの夜行バスはやたら豪華で、シート幅もクッションもたっぷりだからマラッカまでは睡眠時間にしようと思っていたけれど隣に座ったフレンドリーマレーシアンが話しかけてきたので、お互いの身の上とかを話す。クアラルンプール(KL)から来てシンガポールで働いてて、たしかタメだったと思う。故郷に帰って恋人にサプライズをするらしい。指輪?って訊いたけれど、そうではないらしい。マラッカのオススメ料理をきいたけども、結局食べなかったな。

乗ってたバスはKL行きで、マラッカに行く俺は国境でバスを乗り換えなければいけないから、彼とはここで別れる。この乗り換えはかなりの緊張ポイント。前回の国境越えの時はすんでのところで全荷物を置き忘れそうになったし、そうでなくてもバスも人も少ない、ナトリウムランプがやたらとオレンジ色の寂しげなバスロータリーで周りは熱帯の密林だし、深夜だし、乗るはずのバスに置いていかれたら野垂れ死ぬとまでは言わないけどかなりまずい。ちっさいキオスクで両替だけして、何回か人にききながらなんとかマラッカ行きのバスに乗る。今回は誰も話しかけてこなかったので、マラッカまでは熟睡できた。